01 / 本文
集めたのは2020年度以降の模試本だけ
直前期に解いたのは、市販の模試本と、フリマアプリやオークションで買った各社の模試問題である。出版社でいうとLEC、TAC、合格革命、伊藤塾、東京法経学院、成美堂出版のあたり。
集める範囲は、民法の大改正があった2020年度以降に絞った。改正前の問題を解くと、直す必要のない知識を直してしまう。古い問題が安く手に入っても、そこは我慢した。
前年に受けた模試や、過去に受講した講座の復習も入れた。クレアールの記述式講座と民法行政法のヤマ当て、リーダーズの民法講座、LECの春のセルフチェックテスト、TACのチェック問題などである。
直前講座は結局受けなかった。あいまいな論点の確認だけで手一杯だったからだ。良問が多いと分かっている模試パックも、余裕がなくて見送った。
02 / 本文
1日10セット回す
直前期の中心は、集めた模試問題を1日10セット回すことだった。1セットは行政法と民法の計31問。調子と体調がいい日は、法令択一の40問すべてを解いた。
セット数を決めておくと、その日にやることを考えなくて済む。何をやるか迷う時間が消えるのは、直前期には大きい。
これに加えて、テキストを1種類だけ素読した。「スキル完全マスター」の2冊と、合格六法である。読む対象を増やさないことのほうが重要だった。
03 / 本文
復習に使った問題集
回すのとは別に、復習用として次を解いた。アガルートの他資格の問題80シリーズ(民法・行政法・憲法商法・記述)、集中講義(行政法、民法)、解きまくり(行政法)、過去問デラックス(東京法経学院)。
特に行政法は、公務員試験の問題が役に立った。行政書士の過去問は何度も解いていて慣れてしまっている。別の試験の問題を解くと、同じ論点でも切り口が変わるので、理解の穴が見つかる。
記述式は、三省堂、LEC、TAC、合格革命、伊藤塾の問題集を解いた。記述式は、考え方と書き方を覚えたら、あとは数をこなすしかない。書く作業は気分転換にもなる。
04 / 本文
六法は、家用と持ち歩き用に分けた
六法は2冊使い分けた。家では合格六法(東京法経学院)、外出時にはポケット六法(三省堂)である。
条文素読は、ボディーブローのように効いてくる。9月から始めても、本試験の記述式で実感できる。択一で覚えた知識が、条文の言い回しと結びついたときに、記述で書けるようになる。
逆に言えば、条文や判例のキーワードを実際に書けなければ点にならない。肢別問題集を何周したかという話とは、別の作業である。
05 / 本文
直前期の2つの鉄則
9月に入ってから、自分に課したのは2つだけだった。
1つ目は、もう新しい本を買わないこと。手を広げると、あやふやな知識が定まらないまま試験日が来る。いま持っているものをもう一度やり直すほうが、点数に直結する。
2つ目は、もう新しい科目に手を出さないこと。直前期になると「あまり勉強していない商法をやっておこうか」と心配になる。これはやらない。攻めるより、復習とあいまいな項目の確認に徹する。
ただし、模試や答練で初見の問題に触れることだけは続けた。見たことのある問題と初見の問題では、頭の使い方が違う。そこだけは例外にした。
06 / 本文
確認しておいた法改正のポイント
民法は120年ぶりの大改正があり、定型約款の新設、瑕疵担保責任から契約不適合(追完請求権・代金減額請求権・賠償請求権・解除権)への変更、債務不履行による契約解除、消滅時効の統一、個人根保証契約の改正、公証人による保証意思確認手続などが入っている。
重要な改正点として押さえたのは、錯誤が無効から取消しに変わったこと、連帯債務と連帯債権で相対効と絶対効の扱いが変わったこと、配偶者居住権が新設されたことである。絶対効になるのは更改と混同で、ここは繰り返し確認した。
行政法では、違法性の承継、瑕疵の治癒、撤回は処分庁しかできず法律の根拠を要しないこと、といった混同しやすい論点を並べて確認した。
改正点の解説は各社の模試本にも付いている。私はコンデックス社(成美堂出版)のものが読みやすいと感じた。
07 / 本文
量と質は、どちらかだけでは足りない
社会人で受験していると、限られた時間で受かるために勉強法や合格体験記を探すことになる。そこで必ず出てくるのが、量か質かという話だ。
私の結論は2つある。質を上げるには、ある程度の練習量がいる。そして、量を求めすぎると質が落ちる。矛盾しているようだが、両方とも本当だと思う。
合格に必要な標準的な時間という言葉があるくらいで、試行錯誤しながら一定の時間を確保できていれば、そこまで神経質になる必要はない。ほどほどを狙うのが、いちばん続く。
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