01 / 本文
結論:法律の勉強をしたことがない人間が、論述を書けるはずがなかった
20代のとき、行政書士試験を初めて受けた。結果は不合格。それも、記述式の採点にたどり着く前に、一般知識の足切りで落ちた。
当時の記述式は200字の論述だった。いまの40字程度とは別物で、法律の考え方を身につけていない人間が書けるものではなかった。
何が足りなかったのか。法律を学んだ経験がないのに、独学で挑んだことだ。それ自体が悪いのではない。悪かったのは、そのことを踏まえた戦略を立てなかったことだ。
02 / 本文
200字論述という壁
行政書士試験の記述式は、制度が何度か変わっている。私が受けたのは200字で論述する形式だった。
200字は短い。しかし短いからこそ、書くべきことを取り違えると点が入らない。条文の趣旨、要件、効果を押さえて、問われた論点だけを的確に書く必要がある。
私はそれを、文章力の問題だと思っていた。文章を書くのは苦手ではないから、なんとかなると考えていた。まったく違った。求められていたのは文章力ではなく、法律の型に沿って考える訓練だった。
択一で覚えた知識を並べても、論述にはならない。「なぜそうなるのか」を説明できないと、200字は埋まらない。埋めても点にならない。
03 / 本文
足切りで、採点までたどり着かなかった
行政書士試験には、一般知識に足切りがある。この科目で基準点を下回ると、法令科目が満点でも不合格になる。
私はそこで落ちた。法令の勉強にばかり時間を使い、一般知識を後回しにしていた。政治・経済・社会、情報通信、個人情報保護、文章理解。範囲が広く、どこから手をつければいいのか分からず、結局ほとんど手をつけないまま本試験を迎えた。
足切りは、対策の優先順位を間違えると一発で終わる仕組みだ。 法令をどれだけ積んでも、ここで下回れば無意味になる。そのことを、身をもって知った。
04 / 本文
20代の私に足りなかった3つのこと
いま振り返ると、足りなかったものははっきりしている。
1. 試験の構造を理解していなかった。 何点取れば受かるのか、どの科目に足切りがあるのか、配点はどうなっているのか。これを最初に調べるべきだった。試験は「全部やる」ものではなく「必要な点を取る」ものだ。
2. 論述を独学で仕上げようとした。 択一は独学で積める。論述は、書いたものを見てもらわないと精度が上がらない。模試や答練を使うべきだった。
3. 時間の使い方を決めていなかった。 「空いた時間に勉強する」というやり方では、空いた時間は生まれない。何時から何時までやるかを決めていなかった。
05 / 本文
それでも受けてよかったこと
落ちたことに意味がなかったとは思わない。試験の重さを体で知ったのは、この1回目だった。
参考書を読んだ量と、点が取れるかどうかは比例しない。それを知らないまま2回目に進んでいたら、同じことを繰り返していたはずだ。
そして、200字論述の時代に受けた経験は、いまも残っている。条文を読むとき「これは何のための規定か」を考える癖がついた。当時は点にならなかったが、無駄ではなかった。
06 / 本文
これから受ける人へ
法律を学んだことがない状態で行政書士試験に挑むなら、最初にやることは勉強ではない。試験の構造を調べることだ。
合格に必要な点、科目ごとの配点、足切りの有無と基準。これを紙に書き出してから始めれば、私のように「一般知識を後回しにして足切りで落ちる」ことは避けられる。
そして、記述式は独学で完結させないこと。書いたものを採点してもらう機会を、必ず予定に入れる。
次の記事では、2回目の受験について書く。足切りは通過したが、それでも合格には届かなかった。
07 / 本文
受験記シリーズ
4回分の受験記をまとめてあります。
/articles/manual/gyosei-shoshi-1st-attempt-ronjutsu/ — 1回目:200字論述の時代に足切りで落ちた(この記事)
/articles/manual/gyosei-shoshi-2nd-attempt-ashikiri-passed/ — 2回目:足切りは通過したが152点で落ちた
/articles/manual/gyosei-shoshi-3rd-attempt-4-questions-short/ — 3回目:あと4問で落ちた
/articles/manual/gyosei-shoshi-4th-attempt-decision/ — 4回目:参考書1冊に絞って今年で決める
今年の勉強のやり方は /articles/manual/gyosei-shoshi-tsukue-ni-mukawanai/ に、模試の選び方は /articles/manual/gyosei-shoshi-moshi-osusume-2026/ に書いています。
直前期(残り2か月)の組み立ては /articles/manual/gyosei-shoshi-2months-left-strategy/ に書いています。
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